ポケモンGOやめます

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 7月22日の午後、通りの景色が変わりました。
 スマートフォンの画面を見ながら歩く人が劇的に増えました。「ポケモンGO」の配信によるものです。報道によれば、日本中で同じ現象が起こっています。
 私もさっそくアプリをダウンロードして、ゲームをやってみました。確かに面白い。だけど、大ブームはそう長く続かないだろうと感じています。

 携帯電話のGPSを利用したゲームを日本では「位置情報ゲーム」(略称:イチゲー)と言い、特に珍しいものではありません。2005年に始まった「コロニーな生活プラス」(略称:コロプラ)が代表例です。また、厳密にはゲームではありませんが、携帯のGPSとカメラ機能を組み合わせた「セカイカメラ」も一時的にブームになりました。

 ポケモンGOを位置情報ゲームの一つとして見ると、技術面では画期的とは思えません。最大の特徴は、ポケモンという、極めてよく知られたキャラクターを使う点です。

 ポケモンはもともと、1996年に日本で発売された子ども向けのゲームソフトです。その面白さは、自分がゲーム内で持っているキャラクター(=ポケモン)を、ポケモン同士の戦いを通して成長させることにあります。ポケモンGOもこの構図を受け継いでいます。街で見つけたポケモンを捕まえたあとは、特定の場所に行って、ポケモン同士を戦わせるようになっています。相手は、他人が持つポケモンです。

 日本人がポケモンの絵を見たとき、その印象は、世代によって違いがあります。おおむね1970年代以前に生まれた日本人にとっては、ポケモンは単に「子ども向けの愉快なキャラクター」であって、これを戦わせる、育てるという発想はありません。自分の子ども時代には存在しなかったキャラクターなので、よく知らないのです。

 いまポケモンGOをやっている日本人のうち、何割かは中年世代だと思います。ニュースであまりにも話題になっているから、どんなゲームか知りたくてダウンロードする。私がそれです。無料だから、試しに何日かやって、ポケモンを何匹か捕まえた。誰かに「話題のポケモンGOをやった」と言う資格ができた。これで満足です。本来、ここから時間をかけてポケモンを育てるのがゲームの本質だけど、そこに興味はない。

 今から1、2週間のうちに、中年世代の多くはこのアプリから離れていくでしょう。たぶん。

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