かつどう(活動)という名詞があります。英語ならactionまたはactivityの意味です。「かつどう」のうち「かつ」の部分だけを取り出して、他の言葉とくっつけて使うのが流行しています。
どんな例があるか、見ていきましょう。
● 部活(ぶかつ)
部活動(ぶかつどう)という言葉を略した言い方で、これは何十年も前から広く使われています。部はスポーツや音楽など、主に学校でのクラブを意味します。生徒が、クラブで活動することを言います。
● 就活(しゅうかつ)
元の言葉: 就職活動(しゅうしょくかつどう)
たぶん15年ぐらい前から使われるようになった言葉です。高校生や大学生が、企業や団体の職員として採用されるため、会社を訪問したり採用試験を受けたりすることです。
● 朝活(あさかつ)
主に、職業を持っている人が使う言葉です。朝、会社の仕事が始まる前に仲間と勉強会を開くなど、1日の早い時間に有意義な活動をすることを指します。
● 婚活(こんかつ)
結婚するための活動、という意味です。異性に出会うチャンスがあるパーティーに出たり、デート相手を紹介する会社に登録したりします。田舎の町役場が、人口が減るのを防ごうとして、男女の出会いを目的とした「婚活パーティー」を開くことがあります。
● 妊活(にんかつ)
妊娠するための活動です。子供を産みたい既婚女性による、妊娠しやすい体になるための活動を言います。病院に通って不妊治療を受けることだけでなく、食事や生活習慣を改善するなどの小さな努力も含みます。
● 終活(しゅうかつ)
死が近い年齢になってきたとき、死ぬ準備をすることを言います。内容はいろいろです。持ち物を減らしたり、遺書を書いたり、生きているうちに自分のお墓を買ったりします。自分が死んだ後、子どもたちや周囲の人にできるだけ負担をかけないようにするのが目的です。
上に挙げた言葉のうち、「ぶかつ」以外はすべて新しい言葉です。「しゅうかつ(就活)」は若者の間では普及していますが、若者以外はあまり使いません。
これらの言葉は、30年後に生き残っているでしょうか。私にもわかりません。