入れ墨は不人気です。

ee07125b51b6becad3ee809ca1f6270d_s 温泉は最高です。私は大好き。日本人の多くは、温泉が好きです。外国人旅行者の中にも、日本の温泉に興味を持っている人は多いでしょう。

でも温泉施設は、ときに、特定の人たちの入場を断ることがあります。拒否されるのはどんな人でしょう。体に入れ墨を入れている人です。あなたの体に入れ墨があると、温泉には入れないかもしれません。

日本政府が昨年10月に公表したアンケート結果によると、日本の温泉施設の56%が、入れ墨のある人の入浴を断っているそうです。断っていないのが31%。シールで入れ墨を隠すなどの条件をつけて許可しているのが13%。

興味がある人は以下のサイトを見てください。日本語です。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics05_000160.html

アンケートは、温泉施設のあるホテル・旅館3800施設に調査票を送った中、600施設から回答を得ています。回答率が15%と低いのですが、私の経験上、この比率は実態にかなり近いと思います。

なぜ温泉施設は、入れ墨のある人を拒否するのでしょう?

その理由は、入れ墨が、反社会性のシンボルとして多くの日本人にとらえられているからです。長い間、入れ墨はヤクザだけが入れるものでした。最近はヤクザ以外に、ミュージシャンやダンサー、格闘家などに入れ墨のある人が増えてきました。また、ファッションに強いこだわりを持つ一般市民の中にも、小さな入れ墨を入れる人もいます。それでも、日本社会の多数派が持つ感覚は「真面目に働く普通の人々は入れ墨を入れない」というものです。

どれほど美しいデザインでも、入れ墨は多くの日本人にとって暴力的な印象を与えます。入れ墨を他人に見せることは、他人を威嚇することに近いのです。入れ墨のある人は「自分を満足させるために入れている。他人を威嚇する意図はない」と思うはずですが、見る側は怖がります。

温泉は普通、リラックスしたい人が行きます。でも温泉に入って、入れ墨のある人が隣にいたら、怖いのでリラックスできません。リラックスできなかった客は、もう2度とその施設に来てくれないでしょう。だから施設は、入れ墨のある人、つまりヤクザのように見える人の入場を断るのです。

でも、近年は外国人旅行客が増えて、単にファッションで入れ墨を入れている外国人が温泉にやって来ることも増えました。入れ墨を理由に外国人の入場を断っていたら、温泉に入ることができる外国人の数は少なくなります。

それで、日本社会はもっと入れ墨に寛容になってもいいのではないか?という議論が起こるようになりました。先述のアンケートは、そのような議論から実施されました。

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