日本人がとてもよく使う言葉の一つが「よろしくおねがいします」です。ビジネスパーソンなら一日に何回も使っています。文字の通りに解釈すると、「適切にやってください」です。何をやれって? いろいろな場面で使われるので、場面によって違います。
例えば、どんな場面でしょう?
▽自己紹介
会議やパーティーなど、人々の前で自己紹介をする場面です。
自分の名前を言うだけで終わるときも、何分か喋るときも、最後の言葉はたいてい、「よろしくお願いします」です。
ここで文字通りの解釈をすると「私に対して、よい態度で接してください」という意味になりますが、今この言葉で表現しているのは、「私と仲良くしてください」という気持ちです。
名刺交換のときにも、同じ意味でよく使われます。名刺を渡しながら「XXと申します。よろしくお願いします」と言います。
▽具体的なお願いをした後
「Aさんにこれを渡してください。よろしくお願いします」
ここでは、依頼を丁寧な印象にするために使います。これがないと、状況によっては無礼な印象を相手に抱かせることになります。
▽メールで
ビジネスのE-mailの最後は、80%ぐらいこれです。無理矢理解釈すれば「このメールに書いたことをよく理解してください」のような感じですが、実際にはほとんど意味はないです。さようなら、の代わりに使われます。
▽打ち合わせの最後に
打ち合わせを終えるときには、よく、誰かが「では、よろしくお願いします」と言います。そうすると、その場にいるほとんど全員が一斉に「よろしくお願いします」と言って、解散します。
「みなさん、この打ち合わせで話した内容を理解して、適切に行動しましょう」という意味になります。
ちなみに、言い遅れた人の中には「よろしく」を省略して、「おねがいします」だけ言う人もいます。さらにその中には、「しまーす」とだけ言う人もいます。
▽仕事の相手で、これからも会う人に
別れ際の挨拶です。例文は、「今日はありがとうございました。またよろしくお願いします」。
「よろしく」の前に「また」や「引き続き」「次も」「今後とも」など、未来を表す言葉を付けます。これからも一緒に仕事をしましょう、次も私を仕事相手に選んでください、という気持ちを表します。
丁寧で、いろいろな場面で使える便利な言葉です。
今回はここまで。引き続きよろしくお願いします。