日本語を学習してる人は、人と人が別れるときの日本語の挨拶は「さよなら」だと習ったでしょう。それは正解です。でも日本の大人、特にビジネスパーソンは、この言葉をあまり使いません。
「さようなら」または「さよなら」は、10代までは標準的な挨拶ですが、大人になると使う頻度が減ります。特にビジネス、仕事の現場ではほとんど聞くことがありません。
仕事場で「さよなら」の代わりに使う、大人の日本語の代表例はこれです。
「しつれいします」(失礼します)。
まさに、これ。これですよ。子どもには使えない日本語です。とても礼儀正しい印象になります。
「しつれい」は、マナー違反という意味です。「しつれいします」で言いたいのは、「今この場所から去るのはマナーに反することですが、許してください」という気持ちです。そんな気持ちになる理由は、一緒にこの場所にいる相手がとても大切な人(あるいは偉大な人)で、本来はもっと一緒にいるべきだから、という理屈です。要は、相手への敬意を表している挨拶なのです。
「さようなら」は、決して無礼な言葉ではありませんが、相手への敬意はあまり表していません。
また「さようなら」は、もう二度と会わないかもしれない、というニュアンスで使われることがあります。学校を卒業するときとか、また、恋人だった男女が別れるときなどに使われます。
もし会社から帰るときに「さようなら」と言う同僚がいたら、僕は、少し変な感じを抱くだろうと思います。少なくとも今僕が仕事で関わっている人には、「さようなら」を使う人はいません。
「しつれいします」は、家族や友達に対しては普通は使いません。家族や友達への挨拶としては、とてもくだけた別れの言葉である「じゃあね」や「ばいばい」が最もよく使われると思います。ところで仕事場では、「じゃあね」も「ばいばい」も使わない方がいいです。もしあなたが上司に向かってそんな言葉を使ったら、あなたは「無礼な人」と見られ、評価が下がることになるでしょう。
それでは今日はこのあたりで、失礼します。