同じ看板、2つの日産

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写真を見てください。札幌市内にある、日産の正規販売店です。店が2つ並んでいるのが見えるでしょうか?

同じ看板。同じ外観の建物。販売する車の種類も同じです。看板の最下部にある字を見てください。字の形が違うのがわかるでしょう。この字は、店を運営する会社の名前を示しています。

そう。別々の会社が、隣り合って同じ車を売ってるんです。

今から12年ほど前まで、写真の2店は、それぞれ別の日産車を売っていました。当時、片方の主力車は「ブルーバード」など、もう一方は「スカイライン」「フェアレディZ」など。どれも有名な車です。看板のデザインも、2店で色が異なっていました。

それが、なぜ、同じ店のようになってしまったのか。

そもそも自動車という商品は、メーカーがつくり、販売会社が人々に売ります。日産も同じです。

日産車を売る販売会社の成り立ちはさまざまです。日産の100%出資で設立した会社もあれば、各地域の大きな会社が日産と契約する例もたくさんあります。いずれにせよ、販売会社は、日産本社の意向に従わなければならない立場にあります。

以前は、それぞれの販売会社が、特定の人気車種の独占販売権を持っていました。「ブルーバード」はこの販売会社が独占、「スカイライン」は別のあの販売会社、という形です。各社が競争して日産車を売ることによって、日産車全体の販売量が伸びる仕組みです。日本のほとんどの車メーカーがこの仕組みを持っています。

日産は1990年代に経営が傾き、フランスのルノーに買収されました。それで何が起こったか。採算性の低い車種が、次々と生産中止になりました。

車の種類が減った結果、それぞれの販売店は、別の販売店との違いを打ち出しにくくなりました。2005年には、日産本社の決定で、すべての販売店が同じ車種を売ることになりました。その後、看板も同じデザインになりました。

これは日本のあちこちにある景色です。日産だけではありません。

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