
日本に「回転寿司」と呼ばれる店があります。店内にはコンベアのレーンが大きな円を描くように設置されていて、いろいろな寿司を載せた小皿がたくさん、コンベアに載って店内をゆっくり周回します。客はコンベアから好みの寿司を自由に取って食べます。1皿100円から200円程度の低価格であることも多く、普通の寿司店に比べると食事代が半分以下で済むのが特徴です。とても人気があって、日本の外食産業の中で50年以上、大きな存在感を示してきました。
この回転寿司は近い将来、消滅する運命にあります。
近年、回転寿司の店が、こんな店に改装されるケースが増えています。
客のテーブルの側には、今までのようなコンベアではなく、店の奥からまっすぐなレーンが伸びてきています。客は自分の席にあるタッチパネルで寿司を注文します。1~2分後、このレーンを小さな台車が走り、客に寿司を届けてくれます。台車は特急列車のようなデザインで、レーンは「特急レーン」とも呼ばれます。
回転式は長年続いてきましたが、実は大きな問題がありました。皿がレーン上をゆっくり動いているうちに、寿司が乾いてしまうのです。寿司が一番おいしいのは、つくった直後です。客がコンベアの上に好きな寿司を見つけたときには、ほとんどの場合、その寿司はできてから少し時間がたっています。鮮度が下がり、味も少し落ちています。この心配がないのがレーン式です。注文を受けてから店の奥でつくり、客の目の前に直送するからです。
レーン式は、経営面でも長所があります。
回転式の場合、客が手を出さなかった寿司は皿の上ですっかり乾いてしまい、捨てるしかありません。店にとっては損失です。レーン式ならこの損失がなくなります。

また、レーン式は人件費も節約できます。回転式だと、円状になっているコンベアの内側に職人がいて、客から見えるところで寿司を握るのが普通です。でもレーン式なら調理場は完全に壁の向こうなので、作業をすべて機械に任せてもいい。少なくとも、賃金の高い職人を雇う必要がありません。
回転寿司チェーンを経営するいくつかの企業は、「これからはレーン式を増やす」と公式に発表しています。
カッパ・クリエイトホールディングス(かっぱ寿司)
https://www.colowide.co.jp/datafile_new/pr_news_pdf_file_143616414770.pdf
元気寿司 GENKI SUSHI CO.LTD.
http://www.genkisushi.co.jp/uobei/sticking/
※どちらも日本語のみ
10年後、人々は「日本には昔、回転寿司があった」と言っているかもしれません。
